嘆きの壁



◆概要
キャンバスをナイフで傷つけると,傷跡のような赤い光が漏れ出し,その痛みを伝えるような叫び声が響きわたる,少しシュールな作品です.「キャンバスを切り裂く」手に伝わる触感と,視覚的・聴覚的なフィードバックを組み合わせることでリアルな作品とのインタラクションを試みています.
 

図1 嘆きの壁(全景)

図2 嘆きの壁(拡大)



◆システム構成
「嘆きの壁」のシステムは作品のインタフェース部分であるキャンバス,キャンバス表面の画像解析を行うワークステーション(SGI O2),各種音響生成を行うMacintosh(G4 Cube)の3つから構成されます.システムは鑑賞者の「キャンバスへの接近」,「キャンバスの切断」という二系統のアクションを検出し、それぞれに音楽的なフィードバックを生成します.
キャンバスへの接近は光センサ(i-cube light sensor by infusion systems)で検出し,主にBGMの転調や比較的静かな音響要素の生成としてフィードバックします.キャンバスの切断は,カメラで常にキャンバスを撮影し,O2で画像解析を行うことで光の変化(=どの部分が切り裂かれたか)を認識します.O2は変化のあったXY座標や,1フレーム中の変化量などをLAN(クロスケーブル)経由でMacintoshに送信し,それらの情報を元に激しい効果音的な音響を生成します.
Machintoshでの音響生成には,MAX/MSP(by cycling'74)を利用しています.
図3. システム構成



◆展示期間・場所
  • 2000年10月30日〜11月4日
  • 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス 大学院棟ギャラリーにて展示


[アーチョの小部屋]