RFIDを使ってみよう (Felicaアプリ編)
作成日: 2004/12/17  最終更新日: 2005/8/9



◆概要

ここでは,Software Design誌(2005年1月号)で紹介した,FelicaとPaSoRiを利用したさまざまなサンプルアプリケーションについて,簡単に紹介していきます.FelicaとPaSoRiの説明については,記事Felica編などを参考にしてください.

※雑誌記事の内容をHTML化し,こちらに掲載しました.(2005/8/9)

 

今回紹介するアプリケーションは,以下の四つです.各アプリケーションのダウンロードはこちらから行えます.

  1. FelicaLauncher:
    • Felicaを用いたアプリケーション・ランチャー.
  2. FelicaToFile:
    • Felica IDを随時ファイルに書き出すシンプルなプログラム.
  3. FelicaToNet:
    • Felica IDとタイムスタンプを特定のIP/ポートに送信するTCPクライアント.
  4. FelicaSimpleServer:
    • FelicaToNetに対応した,シンプルなTCPサーバ
  5. FelicaTimecard
    • Felicaを用いたタイムカードシステム

図1: Felica+PaSoRiの使用例

 




◆FelicaLauncher

FelicaLauncherは,Felicaを用いたアプリケーション・ランチャーです.FelicaのIDを登録し,任意のファイルやプログラムと対応付けることができます. 基本的な機能は,Felica編で紹介しているサンプルアプリケーションとほぼ同等のものです.FelicaLauncherのダウンロードはこちらから行えます.

図2 FelicaLauncherのスクリーンショット


(1)認識時にWebページを開く

(2) 除去時にログオフ動作を行う.(WinXP)

図3 FelicaLauncherの動作設定

 



◆FelicaToFile

FelicaToFileは,一定時間毎にFelicaのIDを読み取って,ファイルに保存するシンプルなアプリケーションです.これ単体では複雑な操作を行うことはできませんが,外部プログラムとの連携を取りやすい点が特徴です.FelicaToFileのダウンロードはこちらから行えます.

図4 FelicaToFileのスクリーンショット
 



◆FelicaToNet

FelicaToNetは,一定時間毎にFelicaのIDを読み取り,特定のIP/ポート(サーバ)にIDとタイムスタンプを送信するプログラムです.サーバ側では,複数のPC/Pasoriからの情報を同時に扱うことができるので,複数台のPasoriを連携したシステムなどを構築することができます.FelicaToNetのダウンロードはこちらから行えます.

図5 FelicaToNetのスクリーンショット
 




◆FelicaSimpleServer

FelicaSimpleServerは,FelicaToNetに対応した,シンプルなTCPサーバです.接続されたクライアントの情報(FelicaのIDや接続状況の変化)を,「クライアントリスト」に随時表示/更新します. ソースコードも公開していますので,必要に応じて動作をカスタマイズすることが可能です.FelicaSimpleServerのダウンロードはこちらから行えます.

図6 FelicaSimpleServerのスクリーンショット
 



◆FelicaTimecard

FelicaTimeCardは,その名の通りFelicaを用いたタイムカードシステムです.各ユーザの持つFelicaのIDを事前に登録しておくことで,ユーザはFelicaをPasoriに載せるだけでタイムカード(出社/退社)を登録できます.また,Suica定期券のIDを利用するなど工夫することで,本人以外にはタイムカードを押しにくいシステムを作ることもできます.FelicaTimecardのダウンロードはこちらから行えます.

図7 FelicaTimecardのスクリーンショット
 

(1)管理者情報の登録

(2)ユーザ情報の登録

図8 FelicaTimecardの登録


(1)タイムカードの登録

(2)管理人によるタイムカードの参照

図9 FelicaTimecardの運用




◆ダウンロード

各ソフトウェアは個人・研究用途にご自由に使っていただいて結構です.完全に無保証です.
感想・要望などは下記メールアドレスまでご連絡ください.


  • PaSoRi.exe
    • パソリのドライバなどをインストールするソフトウェアです.パソリを接続する前にインストールする必要があります.
      (SUICAの残額や乗車履歴を確認できるソフトウェアも一緒にインストールされます.)

◆インストール

すべてのサンプルアプリケーションは .NET + C# で書かれているため,事前に Microsoft .NET Framework再頒布パッケージ (23.7 MB) をインストールしておく必要があります.また,パソリを接続する前に上述のPaSoRi.exeをダウンロードしてドライバをインストールしておく必要があります.

これらのインストールが完了した後,パソリを接続して各実行ファイルを起動してください.





◆おわりに

ここでは,ソフトウェアデザイン誌(2005年1月号)で紹介した,FelicaとPaSoRiを利用したさまざまなサンプルアプリケーションについて紹介しました.記事では,FelicaとPasoriを用いたサンプルアプリケーションを例として,RFIDを用いた実世界システムの基礎について説明しています.FelicaやPasoriは簡単に購入することができるので,是非実際に手元で試していただければと思います.

最後に,より高度なシステムを構築したい場合は,SonyからSDK for Felica Liteを購入してみてください.価格は約12万円(2004年2月現在)と個人レベルで買うにはやや高価ですが,リーダーの安さとSUICAの普及率を考えると,RFIDシステムの選択肢として考慮する価値はあると思います.




◆関連URL
  • RFIDを使ってみよう 実践編
    - Software Design 2005年1月号 pp.118-126に掲載された記事をHTML化したものです.



  • Felicaのホームページ
    - SonyのFelica関連のメインページです.
  • SDK for Felica
    - SDK for Felicaのカタログです.種類がいくつかありますが,実際にサービスを行うのでなければLiteで十分だと思います.
    (価格にかなり差があります.)
  • パソリのページ
    - PaSoRiの製品紹介です.ソニースタイルからも通販で購入できるようです. AMPMが近くにない場合はここから購入してもよいかもしれません.


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