ネットワーク電光掲示板を作ろう

作成日: 2007/3/22  最終更新日: 2007/3/22



◆はじめに

ここでは,Make 日本語版 vol.2(2007年3月, Oreilly刊行) pp 142-146に執筆した記事「ネットワーク電光掲示板」で紹介した電光掲示板サーバーをダウンロードすることができます.

LEDを用いた電光掲示板は,通常のLCD(液晶ディスプレイ)と比べると輝度/視認性に 優れており,駅,空港,電車などの公共施設を中心に幅広く利用されています.また,電光掲示板を文字が流れる様子はアナログ的な風情があり,LCDに表示される文字よりも印象深いものです.こうした特徴を持つ電光掲示板を家庭やオフィスに設置して,自在に制御することができれば,新しい情報取得やコミュニケーションの手段として利用できるのではないかと思います.

そこで,記事では,秋月電子通商で市販されている電光掲示板キットを用いて,ネットワーク経由で手軽にさまざまな情報を表示することができる「ネットワーク電光掲示板システム」を製作しています.

図1 ネットワーク電光掲示板の設置例

図2 電光掲示板キットの外観






◆ダウンロード




◆実行方法

電光掲示板サーバーの起動方法は以下のようになります.

$ ./ledboard.rb --port com2

ここでは,COM2ポートを利用し,デフォルトの動作モード(ローカルモード)でサーバーを起動しています.

◇共通オプション

  • --mode [-m]
    • 動作モードを[local|mail|web]の3つから指定します.デフォルトはlocalです
  • --port [-p]
    • COMポートを[com1-com9]の中から指定します.デフォルトはcom1です.
  • --module [-M]
    • LEDモジュール数を[1-4]の範囲で指定します.デフォルトは2です.
  • --bright -b [1-10] (default:10)
    • LEDの明るさを[1-10]の範囲で指定します.10が一番明るい状態です.デフォルトは10です.
  • --no_scroll -n
    • 文字をスクロールさせない場合に指定します.
  • --no_loop -N
    • 文字をループ表示させない場合に指定します.
  • --vertical -v
    • 文字を縦書表示させる場合に指定します.
  • --reverse -r
    • 文字を左右反転表示させる場合に指定します.
  • --kcode [-k]
    • 文字コードを [sjis|euc]の2つから指定します.デフォルトはsjisです.

◇ローカルモード

ローカルモードは,コマンドラインから入力したメッセージを直接電光掲示板に表示する,非常にシンプルな機能です.ローカルモードの利用手順は,以下のようになります.

  • 1.動作モードを"local"にしてサーバーを起動します.
    • $ ./ledboard.rb --port com2 -mode local
  • 2.表示するメッセージを入力します.
    • ->message: Make:02
  • 3. 文字の表示スピードを[1-10]の範囲で入力します.10が最も早く,デフォルトは7です.
    • ->speed: 10
  • 4. 写真のように,電光掲示板にメッセージが表示されます.
図3 ローカルモードの動作例
◇メールモード

メールモードは,メールサーバーを一定間隔でポーリングし,特定のSubjectを持つメールの本文をメッセージとして表示する機能です.以下に,メールモードでサーバーを起動し,メッセージを送付する様子について説明します.

  • 1.動作モードを"mail"にしてサーバーを起動します.
    • $ ./ledboard.rb --port com2 -mode mail
  • 2. メールサーバーなどの設定を入力します.なお,デフォルト値は前回入力した文字列です.
    • (1) Subject内のキーワードを指定します.キーワードにマッチした場合,メールは電光掲示板用のメッセージとして解釈されます
      • ->keyword in subject(default=LED):
    • (2) メールサーバーのアドレスを指定します.
      • ->mail server(default=mail.examle.com):
    • (3)メールサーバーのポート名を指定します.POP/APOPの場合,通常は110です.
      • ->port(default=110):
    • (4) メールサーバーの暗号化設定を指定します.APOPを利用する場合はtrue,利用しない場合はfalseを指定します.
      • ->encryption enabled [true|false](default=true):
    • (5) メールサーバーのユーザ名を指定します.
      • ->user(default=tsuka):
    • (6)メールサーバーのパスワードを指定します.
      • ->password:
  • 3. 新着メール数が表示されれば,サーバーの起動は成功です.
    • -> 2 mails exist.
  • 4. 携帯電話などからサーバーで指定されたアドレス/Subjectでメールを送付すると,電光掲示板にメッセージが表示されます.
図4 メールモードの動作例
◇RSSモード

RSSモードは,ニュース/ブログなどのRSSをポーリングし,最新の更新情報を常に電光掲示板に表示するシステムです.以下,RSSモードでサーバーを起動する方法について説明します.

  • 1.動作モードを"web"にしてサーバーを起動します.
    • $ ./ledboard.rb --port com2 -mode web
  • 2. 取得するRSSのURLを指定します.
    • ->target url: http://mobiquitous.com/diary/index.rdf
  • 3. 取得したRSSを解析し,概要を電光掲示板に表示します.



◆参考URL


[デバイスふらり旅]