MODELAを用いた3Dスキャニングとモデリング
作成日:2002/11/21 最終更新日: 2005/1/18



◆概要

Roland DG社MODELA MDX-20を用いた,3D(立体物)のスキャニングとモデリングについて紹介します.
MDX-20は立体物のモデリング(切削),立体物のスキャニング,試作基盤の作成などが手軽にできる,多機能でコンパクトな機器です.
仕様上のモデリング・スキャニングの最大動作範囲は203.2mm(幅) * 152.4mm(奥) * 60.5mm(高さ)です.
詳細については上記のWebページを参照してください.




◆マウス形状のスキャニング

マウス型のキーホルダー(約64mm * 35mm * 25mm)をMODELAで3Dスキャンした例を紹介します.
スキャニング精度はx軸,y軸それぞれ最大0.05mmまで設定可能なようですが,非常に時間がかかるため,今回は各0.5mm, 1.0mmの精度でスキャンしてみました.0.5mm程度の精度でも細部を除けばかなり正確な形状を入力できており,ちょっとした部品やインタフェースの試作などには十分有効に利用できそうな印象です.なお,スキャニング時の動作音は非常に静かで,ほとんど気になりませんでした.

図1 マウス型キーホルダー 図2 MODELAに粘土で固定した様子
◆スキャニング精度 0.5mm * 0.5mmの場合 (所要時間約3時間
図3 ワイヤーフレーム表示(隠線消去) 図4 シェーディング表示
◆スキャニング精度 1.0mm * 1.0mmの場合(所要時間約30分
図5 ワイヤーフレーム表示(隠線消去) 図6 シェーディング表示



◆マウス形状のモデリング

先程MODELAで3Dスキャンしたマウス形状をモデリング(切削)してみます. 0.5mm * 0.5mmの精度でスキャンした形状データを利用します.
切削する素材はマウス型キーホルダーとほぼ同じ大きさのケミカルウッド(合成木材)です.
また, 切削に用いたツール(刃物)は標準で添付されている刃先径3mmのストレートエンドミルです.

モデリングのプロセスは以下のようになります.

  1. 面出し [素材の高さを一定に揃える]
  2. 荒削り [仕上げのために余白を残して,基本的な形状を切削する]
  3. 仕上げ [材料表面の余白部分を高精度に切削する]

今回の所要時間は,面出しが約45分,荒削りが約45分,仕上げが約30分程度でした.
動作音は手持ちの電動ドリル[Black and Decker製 CD431]と比べればだいぶ静かですが,昼間研究室で使うには多少気になるので,防塵対策もかねてダンボールなどで周囲を囲んでいます(図2参照).
#研究室周辺には多数のコンピュータがあるため,数mはなれるとMODELAの動作音はパソコンのファンの音にかき消されます.

図7 ケミカルウッド 図2 MODELAに両面テープで固定した様子
◆出力形状
モデリングの結果は下図のようになりました.側面からみると曲面が多少粗い印象もありますが,全体としては個人レベルでの試作には十分なクォリティだと思います.
図8 モデリングされたマウス形状 図9 モデリングされたマウス形状(Side)





◆関連URL


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