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Active Belt: 触覚情報によるベルト型ナビゲーション機構
最終更新日: 2004/9/17



◆概要

Active Beltは,モバイル環境において,方位情報を含む多ビットの触覚情報提示を実現するベルト型ウェアラブル・インタフェースです.触覚による情報提示はユーザの活動を阻害しにくいため,常時利用に適していると考えられますが,従来のモバイル環境での触覚情報提示手法の多くは,携帯電話のバイブレータのように,注意喚起程度の用途で利用されることが多かったように思われます. Active Beltはベルトに方位センサー,GPSと複数のアクチュエータを装着し,方位情報を伴う触覚情報提示を実現します.パーソナル・ナビゲーションなどのさまざまな位置依存情報サービスと連携したアプリケーションを考えています.

図1 Active Belt概念図



◆プロトタイプとシステム構成

上述したようなデバイス構成に基づいたActive Beltのプロトタイプを紹介します(図2).地磁気センサー(NECトーキン製 TMC3000NF)とGPS (Sony製 IPS-5100G)をベルトのバックル部に取り付け,8個の振動モーター(TPC製 FM23A)とLED1を等間隔にベルトに埋め込んでいます.センサーからの情報はマイコン(MicroChip製 PIC18F452 )で数値化し,設定に応じて振動モーターなどにフィードバックを与えます.振動モーターとLEDは8bitのD/Aコンバータ(Analog Devices製 AD7304)を介して制御し,滑らかに振動数や明るさを変化させています.マイコンはホストPC・PDAとRS-232Cを介して通信を行い,目標地の設定などを容易に行うことができます(図3).

図2 デバイス構成概念図
図3 システム構成
 

 




◆進展 (2002/12)
  • フリーサイズのActiveBelt
    通常のベルト型の機構では,サイズを調整すると振動子の位置関係が変わるため,方位との対応付けが困難となってしまいます.こうした問題を解決するために,振動子を組み込んだベルト部を伸縮性のあるゴム素材で連結した,フリーサイズのActiveBeltを試作しました(図4).ゴム素材部の伸縮を考慮して,余裕を持った配線を行っています(図5).図6,図7のように,細めの女性からちょっと太めの男性まで,振動子の位置関係をほぼ保ったまま身につけることができます.
図4 フリーサイズのActiveBelt 図5 内部の配線

図6 ActiveBeltの装着例(女性) 図7 ActiveBeltの装着例(男性)



◆関連発表など
  • Tsukada, K. and Yasumrua, M.: ActiveBelt: Belt-type Wearable Tactile Display for Directional Navigation, Proceedings of UbiComp2004, Springer LNCS3205, pp.384-399 (2004). [PDF]
  • 塚田浩二,安村通晃: Active Belt:触覚情報を用いたベルト型ナビゲーション機構, 情報処理学会論文誌, Vol.44, No.11, pp.2649-2658 (2003). [PDF]
  • 塚田浩二,安村通晃: Active Belt: 触覚情報を用いたベルト型ナビゲーション機構, 日本ソフトウェア科学会 WISS2002, pp.23-28(Dec, 2002). [PDF]
  • 塚田浩二,安村通晃: Active Belt: 方位情報を伴う触覚情報提示デバイスの提案, 情報処理学会研究報告 2002-HI-100, pp.23-29(Sep, 2002). [PDF]