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Ubi-Finger: ユビキタス環境に適したジェスチャ入力デバイス
最終更新日: 2005/1/19



◆概要
近い将来,各種の家電製品はネットワークで結合された情報家電機器となり,家庭内にもユビキタス・コンピューティング環境が浸透すると期待されています.しかし,情報家電機器は従来の家電機器と比較して高性能化・多機能化する反面,物理的なインタフェースが消失し,家電操作はより複雑になると考えられています.そうした状況では,簡潔性を重視した,ユーザにとって使いやすいインタフェースが有効になります.
Ubi-Fingerは手指の自然なジェスチャを用いて,モバイル環境の情報機器や情報家電機器の操作を実現する指装着型のウェアラブル・インタフェースです.本システムでは,ライト,TVなどの実世界のさまざまな機器を「指差す」ことで特定し,手指を用いたシンプルなジェスチャで対象の機器を直感的に操作することができます.
今後,主に情報家電機器の制御インタフェースとして実用化を目指しています.
-ライトを指差し、指を軽く曲げると…
 
-灯りがつく
図1 実世界のデバイス操作の一例



◆デバイス構成とシステム構成

Ubi-Fingerは3系統のセンサー(ベンドセンサー,2 軸加速度センサー,タッチセンサー)を中心に,実世界の情報機器を特定するための赤外トランスミッタと,これらのデバイスの制御やホストPC ・PDA などと通信を行うマイコンから構成されます.それぞれのセンサーからは(1)人差し指の曲げ・伸ばし,(2)手首の回転角度,(3)親指によるボタン操作,といった情報が入力されます.(1)・(2)は主にジェスチャの検出に,(3)は情報機器の特定やジェスチャ入力のトリガーとして利用しています.

Ubi-FingerシステムはUbi-Fingerハードウェア,Ubi-Host(Ubi-FingerデバイスのホストPC),Ubi-Appliance(赤外線レシーバーとLEDを備え,ネットワーク接続可能な情報家電機器),Ubi-Server(Ubi-Applianceを管理するサーバー)の4つから構成されます.

図1 デバイス構成概念図 図2 システム構成



◆プロトタイプ
Ubi-Fingerハードウェアの初期のプロトタイプはオープングローブ型で多少大きくかさばるものでしたが,ここでは機能を保持したまま小型化した指サック型のUbi-Fingerデバイス ver.2を紹介します.人差し指の内側にベンドセンサー(BendMini by infusion systems)を組み込み,外側側面に二つの小型スイッチを取り付けています.また,人差し指の上部には赤外トランスミッタと,二つの情報提示用LED,及び2軸加速度センサー(ADXL202E by Analog Devices)を装着しています.各センサーからの入力をマイコン(Tiny-H8 by 秋月電子通商)で数値に変換し,RS-232C経由でノートパソコン(Windows2000搭載機)へ送信して,ジェスチャ認識を行います.
図3 プロトタイプ



◆関連発表など
  • 塚田浩二,安村通晃: Ubi-Finger:モバイル指向ジェスチャ入力デバイスの研究, 情報処理学会論文誌, Vol.43, No.12, pp.3675-3684 (2002). [PDF]
  • Tsukada, K. and Yasumura, M.: Ubi-Finger: Gesture Input Device for Mobile Use,
    Proceedings of APCHI 2002, Vol. 1, pp.388-400 (2002). [PDF]
  • 塚田浩二,安村通晃: Ubi-Finger:モバイル指向ジェスチャ入力デバイスの試作, インタラクティブシステムとソフトウェアIX(WISS2001), pp.119-124(Dec, 2001).
  • Tsukada, K. and Yasumura, M.: Ubi-Finger: Gesture Input Device for Mobile Use,
    Companion Proceedings of Ubicomp'2001, Technical Report: GIT-GVU-TR-01-7 (2001).
  • 塚田浩二,安村通晃: Ubi-Finger:モバイル指向ジェスチャ入力デバイスの提案, 情報処理学会研究報告 2001-HI-94, pp.9-14(Jul, 2001).