私達には、見えざるものの中に、そのものを見るという心があります。 この作品は、枯山水の石や砂が隠し秘めているものを、イメージとしてだけでなく触覚や聴覚として感じとることができます。 そして、これまでに作品に触れた鑑賞者の意識を反映したメロディを奏でることで、参加者が一体となって枯山水を創造してゆきます。この多くの人々の意識を反映したメロディにより鑑賞者は、他の鑑賞者の見えざる存在、秘めたる意識を感じる事が可能となります。
本作品は、砂を水として、石を岩や山と見立てて音響を生成します。 砂は触れても砂ですが、音響効果などによって、まるで水の中に手を入れている時の様な感覚を触覚や聴覚から得ることができます。また、石については、石を砂の上で移動させることにより、石を水に沈めるかの様な音が響くなどの音響が生成されます。 この様に、本作品では音響生成・音響効果などを用いて、枯山水が秘めている自然の風景を表現し、鑑賞者を幽玄の世界へと誘います。
本作品を通じて行われた全てのアクションは、鑑賞者の意識としてデータベースに蓄積されます。 この、鑑賞者の作品に触れる頻度や関わる意識の強さなど、作品に対する蓄積されたアクションを用い、定時間毎に石庭を吹き抜ける風をモチーフに透明感のあるメロディを生成し奏でます。 これらのメロディを演奏することによって、鑑賞者の意識を反映した作品が実現され、これまでに作品に触れた鑑賞者の見えざる存在すらも感じとることができます。
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